「先例」の意義-天皇退位法制のとりまとめ – 階猛

17日、衆参正副議長により、各党・会派の意見を踏まえ、「天皇退位等についての立法府の対応」についてのとりまとめの文書が発表されました。

民進党は、退位の定めは憲法2条に従って皇室典範に置くことと、一代限りではなく将来にわたる恒久的な退位制度を設けることを主張してきました。しかし、政府与党は皇室典範を変えず例外的扱いにしたいと強く主張。

最終的には、①退位の定めは特例法に置くが、「特例法は皇室典範と一体をなす」と皇室典範の付則に書く、②退位は例外であるが、特例法が将来の先例になり得る、というまとめになりました。

いわば「足して2で割った」結論です。とくに、二つ目の「例外」だが「先例」となり得る、というのはよく意味が分かりません。公表前日に、党内の常任幹事会で文案が示された際、私はこのことを指摘し、特例法の要綱ができたところで、本当に「先例」となるかチェックすべきだと意見を述べた上で、了承しました。

ところで、このようなまとめに至った理由として、衆参正副議長は、「国民の意思を代表する国会が退位等の問題について明確に責任を持って、その都度、判断するべきこと」を挙げています。要は、時の天皇陛下の御意思より国会の判断が優先されるということです。

これを踏まえれば、憲法で国会に責任を負うと定められている内閣との関係においては、なおさら国会の判断が優先することになります。今回のとりまとめの意義は、ここにもあると思います。

私は、民進党内の憲法調査会の役員にも加わっています。国民の代表から成る国会が内閣に優越するという立場から、もし憲法を改正するならば、内閣が衆議院を解散できる権利を制限するべきではないかと考えています。

これは世界の潮流にも合致します。また、解散が頻繁にあるということは、解散中に災害、テロ、有事等の緊急事態が起こる可能性も高まるということです。緊急事態を口実とする政府の暴走を許さず、常に民主的に物事が決められるようにする意味でも、解散は内閣不信任案の可決など必要最小限の場合に限るべきです。

16日の衆議院の憲法審査会では、枝野代議士が党を代表してこのような見解を発表しました。今回のとりまとめをきっかけに、国会が内閣に優先するという「先例」も確立していきたいと思います。

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